【DTM】キャビネットシミュレーター解説 IRデータ編

2021年6月18日TIPS,ギター,ベースDTM,IR,アンプシミュレーター,キャビネットシミュレーター,音作り

先日キャビネットシミュレーターのマイキングについて記事を書きましたが、今回はIRデータについて書いていこうと思います。IRデータの基本的な説明から使い方、入手方法について紹介するので最後までお付き合いください!


マイキングに関する記事はこちら。マイクの種類・距離・位置などによる音の違いはIRデータでも関わってくるので併せて読んでもらえるとIRデータの選択に役立つと思います。

IRデータとは

IRという言葉は色々なところで見ると思いますが、Impulse Response(インパルスレスポンス)と言って機材や音響環境・再生システムが持つ音の特性を記録したオーディオファイルです。
今回のキャビネットでの話を例に簡単に言うと「Marshallの〇〇ってキャビネットから出た音をSM57(マイク)で距離1cmで録った時こんな音になるよ。」っていう情報が詰まってます。

実際にはそれだけじゃなくマイクプリアンプやEQ、ミキサー、ケーブル、床や壁の環境の特性も記録されている為、それを利用して最初からある程度音が作りこまれているIRデータも存在します。高域を持ち上げた明るい音色とか、中域をブーストした音だったり、既に2本のマイクがミックスされているものだったり。

IRデータを使う理由

アンプシミュレーターでもキャビネットは選べるしマイクの種類も豊富。位置だってちゃんと選べるのにIRデータを使う理由って何?そう思う方もいるでしょうし、使う理由は人それぞれあるかと思います。
個人的にIRデータが便利だなって思うのが以下の点。

・クオリティーが高い
最近のアンプシミュレーターのキャビネット部のクオリティーは上がってきているのでここは個人の感じ方によりますが、プラグインによっては内臓のキャビネットを利用するよりも良い結果が得られる事が多いです。

・複数のアンプシミュレーターを使う場合
お気に入りのIRデータがあればアンプシミュレーターのキャビネット部に左右されずに音作りが出来ます。

・アンプシミュレーターに使いたいキャビネットが無い場合
最近のアンプシミュレーターには代表的なものはほとんど収録されてるかと思いますが、IRデータではマニアックなものまで配布や販売されてたりします。以前見かけたものだとスマホのスピーカーのIRデータとか…

とまぁこんな解説をしているものの音が気に入ればIRだろうが内臓のキャビネットだろうが何でもいいんですけど、少なくとも音作りの幅は広げることが出来るので一度試してみるのも良いんじゃないでしょうか。

IRデータの使い方

今回はプラグインでの使用を想定しているので、ハード機材で使いたいって方はお持ちの機材の説明書をご確認ください!年々ハードの機材でもIRデータを読み込めるものって増えてきてますからね。

アンプシミュレーターでIRデータを読み込める場合

今回もAmplitube5を例に紹介していきます。

このカスタムIRをキャビネットの代わりに入れて

+を押して読み込ませたいIRデータ(wav)を選択するだけ。
右側のアナライアザーでどの周波数が出てるのかが確認できるので音色を選ぶ際に便利です。

アンプシミュレーターがIRデータの読み込みに対応してない場合

この場合はIRを読み込むための専用のIRローダーを利用します。
また、アンプシミュレーターでIRデータを読み込める場合でも専用のローダーがあったほうがIRを2つ読み込んでミックスしたりと色々便利なので導入しちゃいましょう。
(併用する場合はアンプシミュレーターのキャビネット部はオフにして使ってください)

有名なものだとNadIRというSTL TONESから出ている無料のIRローダーがあるのでこれを使いましょう。
>>NadIRのダウンロードはこちらから(STL TONES公式)

最初からいくつかのIRデータがついてきますが、別のものを読み込ませたい場合にはフォルダのアイコンを選択して読み込ませることが出来ます。
左右それぞれに読み込ませて真ん中のBALANCEでブレンドできるのでとても便利です。
マイキングの解説でも触れた異なるマイクをブレンドした音作りが出来ます。

IRデータは大抵の場合ファイル名にキャビネットの種類やマイクの種類・位置・距離等の情報が記載されいるのでそれを参考に選んでください。

IRデータの入手方法

IRデータの使い方についてここまで説明してきましたが、ここからはIRデータの入手方法について説明していきます。
無料で配布されているものもあればIRデータをセットで販売している物もあります。IRデータを作ることは個人でも出来るので、キャビネットを所有している方が自作したIRデータを配布していることもあるようです。そういったものを探してみるのも良いかもしれませんね。

無料で手に入れる

NadIR
先ほど紹介したNadIRに最初からいくつかのIRがついています。

Redwirez FREE Marshall 1960 IRs
Marshall1960のIRが配布されています。
販売もしているので購入前にどんな感じか試してみても良いのでは。

WILKINSON AUDIO
MashallやMESAのIRがいくつか配布されてます

SeacowCabs
ベースのIRを探していて以前ここのIRを使用しました。
ギターのIRもいくつかあるようなので個人的にも試してみたいところ。

その他探すと個人製作のものから色々あるようですが、ファイル名が抽象的でなんのキャビなのか分からないような物も多かったりします。
販売されているものはその辺りしっかりしていて選びやすいしクオリティーも高いです。値段はピンキリですが2000円~3000円ほどとアンプシミュレーター本体に比べれば高いものではないので気になったものを買ったほうが安心かもしれませんね。

購入する

IRデータの販売店は多数ありますが有名所を紹介します。

OwnHammer
僕が使用したことあるのはここのEvolution Debut Bundle
各社のIRを買ってみよう!と思ったもののバンドルで買ったらIRデータの量が膨大で使い切れていないので別の物を買えずにいます…
412TRADというMESA/BoogieのIRがオススメ。

Redwirez
無料配布のマーシャルが気に入ればこちらで購入しても良いのでは!ただ値段がちょっと高め。

F884 SOUND LAB
日本のIRパック制作販売店
上2つは英語で分かりにくい点があると思うので、そういった面でも安心です。
無料のほうに書きませんでしたがよく見たら無料のIRもあったので試せるのは嬉しいですね。

無料有料問わず本当にたくさんのIRデータが存在します。
一時期IRデータに迷ってた身からすると有料の気になったIRをバンドルで買って使い倒すのがオススメ。
もちろん探せばもっと良いものは見つかるかもしれないけど気になったの買ってあとはそれ使って他の部分で音作り詰めてったほうが精神的に良いです。もう大量のIRデータとにらめっこするのは疲れたんだ…

比較音源

Amplitube5を使用して、Amplitube5とOwnHammerのキャビ比較をしてみました。キャビネットの種類、マイクの種類や位置・距離などは出来る限り同条件での比較です。

どちらもキャビネットはMESA/Boogie 4×12 TraditionalにマイクはSM57を使用してます。
アンプはMESA/BoogieのDualRectifire。

①Amplitube5のキャビネットシミュレーター

②Amplitube5のキャビOFF NadIRでOwnHammerのIRを読み込んだもの

正直ミックスも考えたらどっち良いかって言われると好みの問題だし曲にもよると思うんだけど、音が前に出る感じがあって個人的にはOwnHammerのIRを使用したものが実際にギター弾いてる時は気持ち良いです。
それと音が変わるのはなんとなく分かって貰えると思うので、IRを複数持ってると歪み方とか音の傾向は良いんだけどなんかオケに合わないんだよね…って時にIRを差し替えて解決するってこともあるので、選択肢として持っておくと良いんじゃないでしょうか。

まとめ

それぞれの良し悪しはともかく音作りの幅が広がるのは間違いないと思うんでこの機会にぜひIRを試してほしい!
キャビネット部分で音のキャラクターをある程度いじれるようになると全体の音作りが本当に楽になります。アンプのEQ上げ下げして悩んでたことがIR変えたらそれだけで解決したってこともありますし。
なんとなくでもIRの良さというかキャビネット部で音が変わるんだよっていうのが伝われば嬉しいです。

冒頭にも書きましたがマイキングに関する記事もあるのでぜひこちらも併せて読んでみてください!