Superior Drummer 3 の音作りとミックス【タム&ハイハット&シンバル編】

2021年5月17日TIPSDTM,ドラム音源,ミックス

Superior Drummer3(以下SD3)について基本の音作りの仕方を紹介していきます。
前回のキック&スネア編に続いて、それ以外の部分についての解説になりますので前回の記事も併せて参考にして貰えたらと思います。

タムの音作り

タイトなドラムにしたいときは特にタムのリリースを短くしがちですが、ドラムキット全体で聞くと若干リリースは長めに残したほうがタムの存在感が際立つので、単品で聞いて音作りしたらキットで鳴らして確認してみてください。

タムにかけるEQとコンプ

SD3のタムはタム1~タム3、フロアタム1フロアタム2とありますが、基本的にはEQコンプのかけかたは大きく変わらないのでタム1を例に紹介します。

EQの処理は10kHzと3kHzあたりをあげてパシ!っとしたアタックの音を強調。
500Hz前後は他の楽器の帯域と被るタムの音としても不要な部分だったのでカット
200Hz前後はモコモコする部分だったので少しカット。ここはカットしすぎるとタムの音の太さに影響してくるので切りすぎないように注意。

コンプの処理の目的としてタムに関してはリリースの余韻の音を持ち上げるためにかけてます。
アタックリリースの設定はキックやスネアと同じようにアタックを潰しすぎないことを意識。

BUSトラックでの処理

単体での処理が終わったらフェーダーで音量のバランスを調整してBUSトラックにまとめましょう。

まとめてTransientをかけてアタックを少し強調。
BusSendにリバーブのトラックを作って薄っすらとルームリバーブをかけてます。

ハイハットの音作り

ハイハットの音作りは単品のマイクだけではなく全体を録ったOHも考慮しながら作っていきます。

EQに関しては高域をブーストするよりも不要な中域をカットすることで相対的に高域を強調しています。
600Hz辺りのバシャっとしたところをカットすることでシャープな音に。
200~300Hz辺りのモコっとしたところも少しカット
ハイハットは意外とローからハイまで含まれているので不要な低域にはローカットを入れています。
これでだいぶシャープな音になると思いますが、もっと高域を強調したい場合にはバランスを見ながらブーストしても良いと思います。

コンプに関してはコツコツっとしたアタック音を強調するように調整しています。
リリースの設定はあまり遅いと曲のテンポによっては次の音までにリダクションが戻らないので楽曲に合わせて調整してください。

シンバル系の音作り

シンバルの音はOH(オーバーヘッド)というトップマイクで録られていて、ドラムキット全体の音が録られています。ここからシンバルの音を強調するためにOHに含まれるキック・スネア・タム等の被りの音をEQで処理していきます。

OHはダイナミックマイクで録られたOH Dynとコンデンサーマイクで録られたOH Condの2種類に分かれていますが、どちらにも同じようにEQをかけています。
1.2kHz辺りのスネアのアタック音をカット
600Hz辺りのカンカンした音をカット
250Hz辺りのモコモコした音をカット

ローカットで低域もカットしています。

今回は被りをEQでカットしていますし実際の生ドラムのミックスならこういった手段を録りますが、SD3はドラム音源なのでそもそもOHにキックやスネアの被りを入れないという選択肢もあります。

ミキサー画面の右側にある被り音の調整からいらない音を下げたり消すことも出来るので、シンバル以外の音を消して純粋にシンバルだけのマイクとして使うこともできます。
被り音があることでキックやスネアのルーム感のある生っぽさを僕は感じるので残したままEQで処理しています。とはいえがっつり入ってると使いづらいので下げて置くと色々と処理が楽です。
完全に被り音を消すメリットとしてはシンバルの音量調整が楽になる点と、キックやスネアの音を前に出してタイトに聞かせたい…という時に良いかもしれません。
それとシンバル類の音量バランスの調整もここで行います。

コンプはOHにかけるとちょっと派手な音になります。
試しにComp76にオーバーヘッド用のプリセットがあったので使ってみましたがお好みに合わせて試してみてください。

最終調整

ここまでキック・スネア・タム・ハイハット・シンバル(OH)と全て個々に調整してきました。
もちろんこれで音量の調整だけすればシンプルなドラムサウンドでそれはそれでアリだと思います。
ただもうちょっと太いドラムにしたいとか、派手なドラムにしたい…なんていう時はまとめて最後に調整していきましょう。
やり方は人それぞれで、単体のキックやスネアを最初から太く作って最後にまとめる人もいますし、単体では最小限の処理を行って最後にまとめて太くする人もいます。今回のやり方は後者で、個人的にはこちらのほうがやりやすく感じています。最後にキットをまとめて調整したほうが、音にまとまりが出るように感じるからです。

では早速処理していきますが、BUSトラックを使ってOHをまとめた物と、OH以外のキットをまとめた物を2つ用意しました。

まずOH以外をまとめたBUSトラックにEQをかけて230Hz以下を持ち上げています。
そして両方にかけているのがComp670
コンプとしては薄っすらかけて音のまとまりをつけているイメージです。
670はインプットゲインを上げることで真空管で歪んだような荒い音になっていくのでここは好みで調整してください。クリアなサウンドにしたい場合は控えめに。

次にBusSendでCOMPを立ち上げたトラックに送っていますが、これはパラレルコンプと呼ばれる手法で、コンプでがっつり潰した音を原音に混ぜています。これによって派手に聞こえるので、ここも楽曲に合わせて送る量を調整するかそもそもパラレルコンプを使用しなくても良いと思います。

最後にマスターにテープシミュレーターをかけています。
これも若干の歪みを得ることで音にまとまりが出て少し派手に聞こえるエフェクトですね。

最後に改めて比較

エフェクトを全て切ったキット単体の音

エフェクトを全てONにした音

最初の状態から比べてだいぶ変わったと思います。
まとまりが出たのは勿論、コンプをかけているから当然ですが音圧も上がりました。

まとめ

内蔵のエフェクトだけを使用してもしっかり音作りが出来るのがSD3の魅力だなーと改めて実感しました。
勿論ドラムに他のプラグインを使いたいこともあるし不便がないわけじゃないです。でもそれ以上にSD3単体で完結させられるっていうメリットには勝てないんですよね。
しっかりミックスをしなきゃいけないってなったらきっとパラアウトして他のプラグインを使うと思いますが、演奏動画のドラムトラックだったり作曲中に仮で鳴らすドラムだったら本当に十分なクオリティーです。

今回の音作りは基本的なことを詰め込んだような音作りで、何かのジャンルに特化した音作りではない分音色の変化はある意味少なく感じるかもしれません。ただ、これを土台に自分好みの音を作る参考になれば嬉しく思います。

SD3本当にオススメなので気になっていてこの記事を見たって方はぜひ導入してみてください。
音作りの記事を見るとこんなにいじらなきゃいけないの?って思うかもしれませんが、プリセットも豊富なので即戦力になってくれると思います。